バティスタのドーピングと契約解除
バティスタ選手との契約解除が発表されました。
1.流れ
6月7日の試合後にドーピング検査でA検体が陽性反応した。再検査を申し出たが、B検体でも結果は変わらなかったことが8月17日、発表され同日、出場選手登録を抹消された。
出典:
薬物は
「クロミフェン」とその代謝物である「ヒドロキシクロミフェン」。同物質は世界反ドーピング機関(WADA)が「S4.ホルモン調整薬」として禁止物質に指定している
出典:
その後、9月10日にドミニカに帰国。ウインターリーグに参加。
NPBの処分は出場停止6ヶ月。
2.NPBでの過去の薬物違反の場合
◆ガトームソン投手(ソフトバンク)が服用していた飲む発毛剤から禁止薬物が検出。20日間の出場停止と球団に750万円の制裁金が科された。
◆ゴンザレス内野手(巨人)覚せい剤取締法で規制されるアンフェタミンなどが検出。5月26日に1年間の出場停止となり、巨人は契約を解除。
◆リオス投手(ヤクルト)筋肉増強剤の一種であるハイドロキシスタノゾロールを検出。6月28日に1年間の出場停止となり、ヤクルトは契約を解除。
◆井端弘和内野手(中日)禁止薬物に指定されるプレドニゾロンなどが検出。眼病の治療目的で使用する除外措置を中日が有効期限後に再申請しなかったもので、井端はけん責。球団に制裁金300万円が科された。
◆アマダー内野手(楽天)利尿作用があり、筋肉増強剤などを体外に排出する効果があるクロルタリドンとフロセミドが検出。8月9日から6カ月間の出場停止処分を科せられた。シーズン後に退団となった。
◆メネセス内野手(オリックス)禁止薬物に指定されるスタノゾロールの代謝物が検出された。6月27日から1年間の出場停止処分が科され、オリックスは契約を解除。
出典:
3.バティスタ選手のドーピングでの問題点
バティスタ選手のドーピングで今回は解雇を選択したことに関しては触れない。
賛否があると思うが、それについては球団側の判断であり触れない。
問題点①
A検体で違反薬物が検出した後、一軍で起用し続けたこと。
A検体で違反が出た時点で二軍に落とすことが普通で、カープの対応はおかしい。
B検体での違反確定まで2カ月間一軍で起用し続けたことは批判されてしかるべき。
問題点②
今までの処分でもいえることだが、NPBの処分が期間の出場停止であること。つまりオフシーズンを挟んでおり、今回のバティスタの件では8月の出場停止から6カ月で3月2日から出場させることができるので、処分として効果が薄い。
MLBでは、100試合の出場停止処分などで試合数で決められている。
6カ月の出場停止ではなく、100試合の出場停止のほうが効果的である。
問題点③
カープ球団のコメントからの責任感のなさ。ドーピング違反で球団側からの公式の謝罪の記者会見などはなく、当時の監督のコメントも責任感の欠如を感じさせるもの。
緒方監督は「痛いよね」
と現場の責任者と思えないコメント。
出典:
問題点④
ドミニカのカープアカデミー経由の選手でほかの選手のドーピング検査を行われたか不明。
ほかの選手でも同様のドーピング違反が再発する可能性がある。
再発防止として不十分。
問題点⑤
球団、本人の謝罪会見が未だに行われないままの解除。
再発防止がどうなのか?
ファンは誰一人として納得できていない。なぜ説明しないのか?球団側の責任は?など聞きたいことは山ほどあるのに
4.バティスタ契約解除
契約解除の理由は
ずっと調査をしてきたけど、最終的に原因を突き止められなかったのが事実です」と説明した。球団はドミニカ共和国にトレーナーを派遣するなど調査を継続してきたが、最後まで摂取経緯や選手個人が主張した「故意でない」事実も立証できなかった。
出典:
契約解除でこれだけの発表で納得はできていないし、カープ球団の対応で聞きたいことはいくつもある。正直私自身は消化不良感しかない。
5.なぜ契約解除にしたのか?
考えられる理由は、発表の通り①原因がわからなかったこと、②世論の反発の大きさ、③アスレチックスのサイン盗みからの報復死球をみていると、カープの他の選手までブーイングなどのことまであり得る、④本人が反省できていないなど色々考えられる。
シーズンオフにファーストのスラッガー外国人選手獲得していない、この時期の発表ということからぎりぎりまで悩んだのだろう
理由をいろいろと考えてみたが複数の要因が絡んでの判断だろう。
6.今後のバティスタ選手とカープ球団
バティスタ選手は現役続行のため所属球団を探すことになるが、この時期からの契約は苦しいだろう
カープ球団とは違約金に関して交渉するが難航するだろう。
カープ球団はバティスタ選手との違約金についての交渉。
ファーストのスラッガータイプの外国人選手のリストアップと補強を行わない模様。シーズン捨てたのかな。
交渉では将来のNPB復帰制限も絡む。
バティスタの実力、年齢含めると数年後にNPB復帰は十分あり得る
それを防ぐ交渉含め難航が予想される。
ぎりぎりの判断になったのは理由はあると思うが、この時期での契約解除するのはデメリットが多すぎる。選手獲得のタイミングは完全に終わっており次の所属先が決まらない、違約金は多額になる。
7.露呈した問題点
今回のバティスタ選手のドーピング問題ではっきりとした問題点がある。
NPBの規約自体が性善説を前提に作られており、ドーピングの際、処分は球団の裁量が大きすぎる。
問題点は
①契約延長の有無は球団に一任。②出場停止期間にオフシーズンを含んでいること、③MLBのように1回目は○○、2回目は○○というように処分が決まっていない。個々で判断するのは良いが、ガイドラインは必要。④A検体で黒となったあとの扱いが決まっていない
改善するためにはほかの種目やMLBでの規約がどうなっているのか研究して、それらと同じような基準に改定すべき。MLBと同様の規定にするのが一番簡単でいい。
最後にバティスタ選手のドーピング問題では多くの問題点が露呈した。この問題点を改善することは次回以降のために必ず行わなければならない。